紀元前後ころに作られた貨幣を指します。原始的な見た目が特徴で、金塊や銀塊などに刻印を押し付けたような見た目で、一枚一枚表情が違う魅力があります。

造幣技術が確立されたモダンコインやデザイン性に優れた中世ヨーロッパ時代のアンティークコインをたくさん見てきた方からは、ずいぶん地味な感じだという印象を受けられるかもしれませんが、古代コインには考古学的な人気があります。現代のような採掘技術も無く、人類の手で採取された貴金属から作られており、一枚一枚を職人がハンマーを振り下ろして打ち出されていますから、同じ種類のコインであってもオリジナリティーがあります。

リディアコイン 1/3スターテル金貨(画像1)

人類初、世界最古の金貨と称される「リディアコイン」は、紀元前7世紀頃に現在のトルコ西部にあったリディア王国で発行された金貨です。歴史的に有名かつ貴重なコインで、同時代のコインは大英博物館やルーヴル美術館などに収蔵されています。紀元前7世紀頃の日本は縄文時代後期にあたります。物々交換だった生活が、このお金が誕生したことで、人類はさらに商業を発展させていくことが出来ました。

アレキサンダー大王 スターテル金貨(画像2)

ギリシア、ペルシャ、エジプトといった列強を征服し、インドにまで遠征して版図を広げた伝説的な英雄アレキサンダー大王の金貨は、大王が制圧したトラキア鉱山から採掘した金によって作られました。紀元前の時代に大活躍したアレキサンダー大王が実際に発行した金貨を手にすることが出来る、非常にロマンを感じる金貨であります。

ギリシャ テトラドラクマ銀貨(画像3)

世界でも最も古い都市の一つで約3,400年の歴史がある古代ギリシャ都市アテナイで発行された銀貨です。アテナイにあるラウレイオン銀山から発掘された良質な銀貨の古代コインで、時代別にデザインを変化させながら鋳造されました。コインに描かれたフクロウは知恵の象徴とされ、反対側の面には知恵の女神アテネが描かれています。

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古代コインの鑑定、グレードについて

古代コインを鑑定しているのはNGC社の古代コイン専門機関「NGC-ANCIENT」のみで、貨幣の起源から西暦 500 年頃までのコインを鑑定しています。

また、グレードはシャルドン・スケール(70 段階)と異なり、アルファベットのグレード+Strike(打刻の評価)及び Surface(表面状態の評価)の5点満点評価となります。

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実際に見てみましょう。

※スラブケースはイメージ画像です。

MS>AU>XF>VFと記載されているのが解りますね。

このように、年号・国名・額面が同じであっても、グレードが異なり、個別の鑑定番号が付けられ識別されています。

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アンティークコイン

モダンコイン