パリ五輪、日本金メダル・メダル総数海外大会最多更新
2021年にコロナ禍で行われた東京オリンピックでは、コロナ禍の影響もあり変則的に開催されたにもかかわらず各国を代表する選手たちが全力で熱戦を繰り広げ、スポーツを通じ世界が一丸となってコロナ禍に立ち向かった感じがしました。
その中でも日本勢の活躍は素晴らしく、過去最多である金メダル27個、銀メダル14個、銅メダル17個の合計58個のメダルを獲得し、日本全体に勇気と希望を分けてもらったと感動をした方は多くいらっしゃったのではないでしょうか。
その興奮が冷めない中、ちょっとお得な感じで東京オリンピック終了後の3年目である今年2024年にパリオリンピックが7月26日から始まり、17日間の熱戦を繰り広げ8月11日に閉幕となりました。
今回のパリオリンピックにて日本勢が獲得したメダル数は、金メダル20個、銀メダル12個、銅メダル13個、合計45と東京オリンピックに比べると僅かながら少なくなりましたが、海外で行われたオリンピック大会の中では過去最多となる金メダル数とメダル合計獲得数になったという事は周知のことだと思います。
2004年に行われたアテネ大会で獲得した金メダル16個と2016年に行われたリオデジャネイロ大会で獲得したメダル総合計数43個を上回る結果を出すことに成功したのは、日本を代表する選手達の並々ならぬ努力はさることながら、選手を支えているご家族やご親族、友人、そして、各競技において昼夜を問わず縁の下の力持ちとなって一生懸命奮闘してくださった関係者の皆様、そういった皆様の頑張りがあってこその快挙だと思います。
今回のパリオリンピックで惜しくもメダル獲得には至らなかった競技であっても、日本勢の活躍は本当に素晴らしいことばかりで、次回大会では大躍進するのではなかろうかと期待に胸を膨らませるものが多いと思います。
正しい努力を一生懸命頑張ってすれば、直ぐには報われないかもしれませんが、必ずや日の目を見る日が来るのだと、老若男女問わず勇気をもらった方は多くいらっしゃったと思います。
中でも、陸上女子やり投げの北口榛花選手はフィールド種目で日本の女子で初のメダル獲得に成功し、しかも獲得したメダルが最高の金メダルという素晴らしい活躍は、陸上競技フィールド種目に希望をもたらしてくれた歴史的快挙だと思いますし、また、今大会で初の競技となったブレイキンでは初代チャンピオンとなった湯浅亜実選手も歴史に名を刻む素晴らしい快挙だと思います。
その他にも、体操日本男子団体の逆転金メダル獲得のエピソードでは、最大のライバルである中国選手が最後の競技を行う時に橋本大輝選手が会場内に静寂を求めた行動はスポーツマンシップの最たる素晴らしいことですし、同競技岡慎之助選手の大活躍は凄いという言葉を超越する快挙だと思います。そして、女子スケートボード吉沢恋選手は14歳という年齢で金メダルを獲得し、同競技男子堀米雄斗選手の逆転金メダル獲得は東京オリンピックに続く連覇で大変素晴らしい快挙ですが、その華々しい結果とは裏腹に後の報道で堀米雄斗選手がパリオリンピックの出場も危ぶまれた時期を乗り越え、言葉では表現できない物凄い血がにじむ努力があって獲得した金メダルだったと知らされたときは心から感動しました。
その他にも思い起こせば数えきれないほどの感動や名シーンが山ほどあり、前回の東京オリンピックにも負けず劣らずの凄い感動を貰うことが出来たと思います。同時に大勢の方が日本代表選手に熱いエールを送り、オリンピックを通じ日本の心が一つになれた感じがしたことは大変に嬉しく思います。本当に日本代表選手の皆さん、「感動を有難うございました!」と心から御礼と感謝を申し上げたいものです。
第一回オリンピック優勝者が授与したメダルの色
近代オリンピック第一回開催は、時代をさかのぼること1896年ギリシャで行われたアテネオリンピックです。
大会には14ヶ国241選手が参加し、陸上、水泳、テニス、体操、レスリング、自転車競技、フェンシング、射撃の8競技42種目で熱戦が繰り広げられました。
第一回オリンピックと現在のオリンピックの違いは結構多く、特に大きな違いがある一番目として男子選手だけにしかオリンピックの参加資格が与えられなかったことです。実際に女子選手がオリンピックに参加したのは第二回のパリオリンピックからとなります。
二番目は陸上トラックの進行方向が時計回りを採用したところです。つまり、現在と大きく違い逆回りするようになっていたので、普段見慣れている陸上競技とは違いますので違和感を覚えます。
三番目は水泳競技をプールで行うのではなく海で行ったところです。
室内プールで競技をするにしても、真ん中のコースが一番泳ぎやすく有利であり、両端のコースはプールサイドから跳ね返ってくる波の影響を受けやすく不利といわれていますが、第一回オリンピック水泳競技は海で行われたので、両端のコースで不利といわれる波とは比べるレベルのものではありませんので想像を絶するものがあります。
その他にも現在のオリンピックとは違うところが数多くあり、驚くことばかりなのですが特に違うのはメダルの種類です。
現在のオリンピックは優勝者には金メダル、準優勝者には銀メダル、第三位には銅メダル授与ということは半ば常識となっていますが、第一回オリンピックの優勝者が授与したメダルは金メダルではなく銀メダルだったのです。そして、準優勝者には銅メダル、第三位にはメダルの授与すら無かったのです。
当時金の価格が高かったという事が原因のひとつといわれていますが、現在のように金メダル、銀メダル、銅メダルというようになったのは1904年アメリカのセントルイスオリンピックからです。
このオリンピックのメダルの種類には諸説があり、貴金属の価値から判断して金メダル、銀メダル、銅メダルという説とギリシャ神話にある黄金時代、白銀時代、青銅時代、鉄の時代に由来して区分けされたという説があります。
また、メダルのサイズも現在の直径85mm、厚さ約12mm、重さ556gと比べ、第一回オリンピックのメダルは直径約49mm、厚さ約4mm、重さ68gとかなり小ぶりなメダルでした。
その他、第一回アテネオリンピックではありませんが第二回のパリオリンピックでは現在の丸型とは違い四角いメダルが登場しましたが、この四角いメダルは後にも先にもこの大会のみのこととなりました。
オリンピックメダルの素材
そもそも金、銀、銅のオリンピックメダルの中身は何なのかという事で知っている方は多くいらっしゃると思いますが、まずは製造規定として①大きさは7cm~12cm②厚さは0.3cm~0.8cm③重さは0.5kg~0.8kg④形は原則として丸形と定められています。
そして、オリンピックのテーマに沿ったデザインが施され、夏季オリンピックにはギリシャ神話に登場する勝利の女神「ニケ」が必ず書かれていなければならないのです。
そして、優勝者と準優勝者のメダルは銀製で純度928/1000で、優勝者のメダルには6gの純金を使用しメッキを施さなければなりません。
つまり、現在の金メダルは純金6gの金メッキを施した純銀メダルというのが実際のところとなります。
しかし、過去には一度だけ1912年に行われたストックホルムオリンピックでは純金の金メダルを使用していましたが、この大会を最後に競技種目が増え開催国の負担を軽減するということで純金製の金メダルの登場は無くなってしまったのです。
実際に、パリオリンピックでは329種目が行われ、団体戦(柔道、体操、フェンシングetc)を省いて、最低でも開催国フランスは金メダルを329個作らなければなりません。
これを全部純金で作成した場合、現在純金1gが概ね13000円しておりますので、最低でも金メダルだけで500g×13000円×329種目という事で21億3850万円となり開催国フランスが負担しなければならなくなります。
金メダル1個が650万円もの高額となると考えさせられる事案となります。
銅メダルに関しては細かい規定はありませんが銅やスズ、亜鉛を混ぜて作成した合金でできているようです。
元々世界では「ブロンズメダル」と呼ばれているので言葉の通りの素材となっているわけです。
金メダルの実質的な価格は金卸価格、銀卸価格により日々変動はしますが1個あたり日本円で15万円位というのが現在値です。
しかし、過去には1996年アトランタオリンピック、ウクライナ代表のボクシング選手が2012年のオークションに金メダルを出品したことがあり、落札価格が驚きの高額でなんと「100万ドル」という価格がついたのです。現在が1ドル約145円位ですので日本円で約1億4500万円という破格な高値には驚きが隠せません。
このオークションで高額を得た出品者は、これも素晴らしい話ですが母国の子供たちのスポーツや教育の為の基金に寄付したそうです。
個人的にはこのような素晴らしい人格者だからこそ、高額の落札価格になったのだと思います。
その他にも、スマトラ沖地震被災者へ寄付する為に金メダルを売却した方もおられるようですが、やはり、オリンピックに出場するスポーツマンはスポーツマンシップに則り素晴らしい人格者が多くいらっしゃりオリンピック終了後もサプライズの感動を時折提供してくれますね。
今回はオリンピックにまつわる話をしました。実際に皆さんが知っていることばかりだと思いますが、何かのお役にたてることが出来ましたら幸甚です。
荻島 弘一.”オリンピックの金メダル売ったらいくら?金は高騰も実は原価が…過去に実際に売却した選手は「1.5億円」”Yahoo!ニュース.2024年7月29日配信.
参照先:Yahoo!ニュース
荻島 弘一.”オリンピックの金メダル売ったらいくら?金は高騰も実は原価が…過去に実際に売却した選手は「1.5億円」”THE ANSWER(ジ・アンサー).2024年7月29日配信.