アメリカ合衆国がイラン・イスラム共和国を空爆

President Donald Trump and his national security team meet in the Situation Room of the White House, Saturday, June 21, 2025. (Official White House Photo by Daniel Torok)

2025年6月21日夜(日本時間22日午前)アメリカ軍がイラン国内にある3カ所の核施設を空爆したと報を受けた時、世界中の人々が驚いたことだと思います。また、米国とイランの報道にブレはあるもののトランプ大統領より「イスラエルとイランとの間で、完全かつ全面的な停戦が完全合意された。今から6時間後に、両国が行っている最終任務を完了した後に開始され、停戦は12時間継続し、この時点で終戦と見なされる。正式には、イランが停戦を始めた12時間後にイスラエルが停戦を始め、さらに24時間後に『12日間戦争』が正式に終結する」と終戦までのスケジュールも発表され、事実イスラエルとイランの双方で勝利宣言を行い一旦は収束したような形になりました。

一部の報道では「トランプ劇場」と言われてはいますが、ロシアとウクライナの地域紛争もある関係上、今回のことが世界中に飛び火しかねない事案であるため楽観的に考えられない方も多いかと思います。

しかしながら、日経平均は4万円台に回復し、NYダウも43,000ドルを超えていますので経済指標を見ると最悪な状況になることは回避されているのかもしれません。

いずれにせよ、世界中が平和になることは誰しもが望んでいることだと思いますので、ロシアとウクライナ紛争も早く終結してもらいたいと思う次第です。

そして、前回までアメリカの歴史についてお話しましたが、今回はアメリカの金貨の歴史についてお話したいと思います。

アメリカ金貨の誕生

アメリカ合衆国は1776年に独立宣言し、1792年に貨幣法が制定され、フィラデルフィアの造幣局で1794年に1/2ドル銀貨、1ドル銀貨、1795年から5ドル金貨、10ドル金貨が鋳造されました。

米国の国章となった白頭鷲が刻まれた10ドル金貨は「イーグル金貨」と呼ばれるようになりました。

当時金貨を鋳造する際に、表面に初代大統領のジョージ・ワシントンの肖像か自由の女神とするか議論が行われ、ジョージ・ワシントンが自身の肖像を入れるよりも命をとして革命に全力を注ぎ勝ち取った「自由(LIBERTY)」を前面に出したいとのことから表面は自由の女神、裏面に白頭鷲、合衆国の州を表す星印を刻むことが基本となりました。

米国通貨の金種はセント、ダイム、ドル、イーグルがあり、1933年までは流通用貨幣でイーグル金貨が最大単位でした。因みにドルとダイムは銀、セントは銅を使用し、金や銀の地金を造幣局に持ち込めば当初は無料で金貨と銀貨に鋳造できる自由鋳造が認められていました。

当時の金貨の主な種類は、表面にロバート・スコットのデザインでターバンヘッドと呼ばれる帽子をかぶった自由の女神が描かれた金貨。1/2イーグル金貨で「EPLURIBUSUNUM」と刻まれた「ヘラルディックイーグル金貨」、ロバート・スコット及びジョン・ライヒが彫刻した自由の女神の頭部のデザインが特徴の「キャップヘッド金貨」等があります。

1834年に銀価格の相対的な下落を受けた時期に鋳造されたウィリアム・ニースがデザインした「クラッシックヘッド」1837年貨幣法改正時に鋳造されたクリスチャン・ゴブレクトがデザインした「リバティヘッド」があります。

また、1848年カリフォルニア州で金鉱山が発見されゴールドラッシュが始まり誕生した「ダブルイーグル金貨」があります。特に1849年に鋳造されたダブルイーグル金貨は2枚のプルーフ金貨のみで、1枚はスミソニアン博物館に保管されてはいるが、もう一枚は現在所在が不明になっているとのことです。

ダブルイーグルは1849年から1877年まで「TWENTY D.」と表記され、1877年から1907年までは「TWENTY DOLLARS」、3ドル金貨は「3 DOLLARS」、1ドル金貨は「1 DOLLAR」と刻まれています。

1854年にカリフォルニア州のサンフランシスコに造幣局の支局が開設され1931年迄に鋳造された金貨には「S」のミントマークが刻まれている特徴があります。

金貨製造停止

世界大恐慌を期にフランクリン・ルーズベルト大統領はアメリカ国民に対し保有する金を平均価格1トロイオンス20.67ドルで強制的に搬出させ、事実上アメリカ国民に金貨及び金地金の保有を禁止しました。金本位制と金貨製造も停止し1964年までアメリカ国民は金の保有が禁止されたのです。

エピソードの一つとして1933年に流通されることなく鋳造されたダブルイーグル金貨は445,500枚あり鋳潰されたとしていましたが、2002年7月30日のオークションで1933年のダブルイーグル金貨がオークションに出品され7,590,020ドルで落札されました。

このことに対しアメリカ政府はこの出品物は盗難品であるとして、金貨の所有権をめぐって提訴する事件にまでなったことがあるのです。

話は戻り、1958年米国の国際収支の赤字が目立つようになり、ドルに対する不安が国際的に広がりました。1971年にリチャード・ニクソン大統領は金とドルの兌換停止を発表したことにより、ニクソンショックが発生し各国の通貨の対ドル価格引き上げなど多角的通貨調整が行われた結果ドルの変動相場制が誕生し、金とドルの関係がイコールではなくなり金本位制は幕を閉じ貨幣は各々の国が営む中央銀行が管理する現在のスタイルになりました。

その他の金貨の種類として、1879年フローイングヘアのステラ金貨、ステラパターンのダブルイーグル金貨、1880年コイルドヘアのステラ金貨などあります。

また、現在は閉鎖されていますが米国には造幣局がいくつもあり、デンヴァー造幣局は「D」、シャーロット造幣局では「C」、ダロネガ造幣局は「D」、ニューオリンズ造幣局は「O」、フィラデルフィア造幣局は「P」、ウェストポイント造幣局は「W」、カーソンシティー造幣局は「CC」等のミントマークがある金貨があります。

今回の話は足早ではありますがアメリカ合衆国で誕生した金貨についてクローズアップしました。

皆さん知っている事ばかりだと思いますが何かのお役に立つ事ができれば幸いです。