干支のお話

2025年の干支は皆さんがご存じのように12年に1度巡ってくる巳年ですが、

正しくは「乙巳(きのとみ)」といいます。

干支を正式にいうと「十干十二支(じっかんじゅうにし)」という「12の動物」十二支と「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類からなる十干を組み合わせた60通りが本来の干支になります。

「12種類の動物と10種類の十干なんだから120通りなのでは?」と疑問を抱く方もいらっしゃるかと思いますが、十二支と十干から順番に組み合わせるという仕組みがある為(例、甲子、乙丑、丙寅・・・etc)60種類になります。(画像:干支の60周期を表した図)

そして、61番目は最初の「甲子」に暦が戻るので満60歳を迎えた人の長寿をお祝いする「還暦(かんれき)」という言葉が生まれました。

この干支誕生の歴史は古く、今から約3500年前である紀元前16世紀ごろの中国で誕生したのではなかろうかという事が一番有力視されています。また、「キングダム」で有名な秦の始皇帝時代に文字が読めない人でも日時が解るようにするために身近な動物が使われたと言われています。

今年2025年の「乙巳(きのとみ)」は具体的にどんな意味があるのかといいますと基本的に「巳」は「へび」を意味しており、神社でも「へび」を神聖な動物としてお祀りする神社も存在するように縁起が良い動物とされています。尚、「へび」は成長をする過程で脱皮を繰り返していくことから「復活と再生のシンボル」とも言われています。

そして、「巳」は胎児の形から文字が生まれたと言われており、「生まれる」「将来がある」という意味があり、「巳」は「み」とも読めることから、「お金が身につく」とか「努力が実る」という意味も汲取られます。また、「乙(きのと)」は「しなやかに伸びる草木」という意味を指し、「おつ」とも読み「なかなかおもしろい味わいのあるさま」を「おつな事をいう」という粋な意味合いもある言葉です。

そのようなことから2025年の「乙巳(きのとみ)」は「物事が順調に進む年であり、困難に直面することがあっても、臆することなく蛇のような柔軟性をもってしなやかに乗り越え『絶対に成し遂げる』という執着心をもって努力を重ねていけば、いずれ努力が実を結び、金運アップが望める」といわれています。したがって、2025年の目標を立てて、計画的に物事を進めていくことが良いのではないでしょうか。

その他、株価の予想で「乙巳(きのとみ)」は相場の格言で「辰巳天井」という言葉があり「株価上昇が一服するのでは」という見方をする方もいらっしゃいます。

歴史の紐を解くと「乙巳(きのとみ)」では良くも悪くも歴史的な出来事が色々と起きました。

645年では「乙巳の変」が起き、大化の改新と呼ばれる一連の国政改革につながる出来事が起きました。

1185年には鎌倉幕府が事実上確立しました。

1605年には徳川家康の後を継いで秀忠が征夷大将軍に就任しました。

1905年には日露戦争が終結しました。

前回の乙巳である1965年は米軍が北ベトナム本土への直接的空爆「北爆」を開始し、ベトナム戦争が本格化することとなりました。

上記のようなことからも、諸手を上げて今年一年は喜びばかりとは言い難いのかもしれません。

事実として、米国トランプ新政権により日本がどのような影響を受けるのか?また、4月には関西万博が開幕し、夏には参院選も控えております。

経済の面で考えると尚の事で注目すべき事柄が多いように感じます。

しかし、「乙巳(きのとみ)」は苦難が起きても柔軟にかわし、目標を明確に立て地道に努力をしていけば道が開ける年といわれていますので、何があっても臆することなく目標に突き進む強い意志をもって邁進することが成功の秘訣となりそうです。

最後に、今年一年皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り致しまして、今年最初の言葉とさせて頂きます。

今年一年も何卒、宜しくお願い申し上げます。