前人未到の日経平均70,000円の大台突破!

入梅の候、しっとりとした雨に濡れた紫陽花(あじさい)が、街角に色鮮やかなアクセントを添える季節となってまいりました。雨空の下でも凛と咲き誇るその姿には、梅雨の風情と生命の力強さを感じずにはいられません。

皆様におかれましては、この変わりやすい気候の中、いかがお過ごしでしょうか。

ところで皆様は、紫陽花の花の色がなぜ赤や青、紫に変化するかご存知でしょうか。

これは花が持つ「アントシアニン」という色素が、土壌の酸性度(pH)やアルミニウムの吸収量によって化学反応を起こすためだそうです。一般的に、日本の土壌は弱酸性が多いため青色の紫陽花が多く咲き、欧州などアルカリ性の土壌では赤やピンクになりやすいと言われています。

「土壌」という環境の変化を敏感に察知し、自らの色を柔軟に変えて美しく咲く紫陽花の姿は、現在の激動する経済環境において、私たち企業や個人がどう適応していくべきかという「柔軟性」を教えてくれているかのようにも思えます。


日経平均69,000円超―「失われた時代」の完全なる終焉か

連日のニュースでも大きく報じられております通り、6月15日の日経平均株価は69,000円台に乗せ、70,000円の背中がはっきりと見えるところまで到達いたしました。つい数年前まで、バブル期の最高値(約38,000円)を超えることすら懐疑的に見られていたことを考えますと、この現在の水準は、日本経済が「失われた30年」という長いトンネルを完全に抜け出し、太陽の光を燦々と浴びる新しいステージへと力強く移行した証拠ではなかろうかと個人的に感じております。

そして翌日の令和8年6月16日、日経平均は70,000円の大台をあっさりと突破しました。

この株高は、実体のない金融緩和の産物ではなく、日本企業が長年積み重ねてきた努力の結晶だと個人的には思っています。資源を持たない島国である日本が、卓越した技術力を磨き、世界基準のガバナンスを取り入れ、そして何より「誠実なモノづくり」と「約束を守るという信用」を貫いてきた結果が、世界中の投資家から再評価されているのではないかと思う次第でございます。


歴史的高値圏における「強気」と「弱気」の交錯

日経平均が70,000円という未知の領域に挑む中、現在の株式市場の先行きについては、専門家の間でも「強気な見方」と「弱気な見方」が交錯しております。

強気派(ブル派)の見方

強気派の根拠としては、やはり日本企業の「稼ぐ力」の根本的な向上が挙げられます。

長年のデフレから脱却し、企業が適切な価格転嫁を進められるようになったこと、そして東証の旗振りによる資本効率の改善(PBR割れ是正など)が海外投資家から高く評価されている点です。

また、賃上げが本格化し、個人消費が底上げされる「内需の好循環」への期待も、さらなる上値を見込む強い原動力となっております。

弱気派(ベア派)の見方

一方で、弱気派の懸念材料も忘れてはなりません。

これほど急激な株価上昇に対しては、当然ながら高値警戒感や利益確定売りが出やすい水準であります。加えて、海外情勢の不確実性も挙げられます。

中東情勢などの地政学リスクや、米国の金利動向とインフレの粘着性、さらには為替相場の乱高下が、日本企業の業績に想定外のマイナスインパクトを与えるのではないかという慎重な見方も存在します。

もちろん、経済には常に波がございますし、ずっと右肩上がりの好景気が続くとは限りません。

強気と弱気の意見が分かれる市場において重要なのは、一喜一憂せずに物事を俯瞰する冷静さです。

しかし、日本人が培ってきた勤勉さや互いを思いやる精神が国際社会で高く評価され、それが株価という数字に表れているのだとすれば、私たちはこの現実を大いに誇りに思い、前向きでポジティブなエネルギーに変えていくべきだと私は感じております。


金融市場の原点は「梅雨の雨」にあり?

さて、株式市場が活況を呈している今だからこそ、少し視点を変えて、日本の金融市場の歴史とルーツについての豆知識をお話ししたいと思います。

実は、現在の株式市場や先物取引の原点は、この「梅雨の雨」や天候と非常に密接な関わりを持っているのです。

江戸時代、日本の経済の中心は大阪にありました。当時、諸大名たちの収入源はお金ではなく「お米(年貢米)」でした。

大名たちは各藩で獲れたお米を大阪の蔵屋敷に運び、それを売って現金(貨幣)に換えていました。

当時のお米の収穫量や価格は、梅雨時の降水量や台風などの天候によって大きく左右されていました。豊作で米が余れば価格は暴落し、日照りや長雨で不作になれば価格は暴騰していたのです。

「この激しい価格変動を何とか回避し、安定した商いができないか」

そう考えた大阪の商人たちが知恵を絞って生み出したのが、まだ収穫されていない未来のお米を、あらかじめ決めた価格で売買する約束を取り交わす仕組みでした。

これが1730年に幕府公認となった「堂島米会所(どうじまこめかいしょ)」です。

驚くべきことに、これはシカゴの商品取引所ができるよりも100年以上も前のことであり、「世界初の組織的な先物取引市場」は、この日本・大阪で誕生したのです。

現代の株式市場の熱狂も、そのルーツを辿れば、雨や自然の脅威に立ち向かい、知恵を絞って経済を回そうとした江戸時代の商人たちの逞しさに行き着きます。

そう考えると、毎日の無機質な株価の数字の中にも、日本人特有の「逆境を乗り越える知恵とエネルギー」が脈々と息づいているのを感じ、大変興味深く思えるのではないでしょうか。


梅雨の不調「水毒」を克服する東洋医学の知恵

話は変わり、経済の話から少し日常に目を向けまして、この梅雨の時期を健やかに過ごすための「身体の整え方」についても触れさせていただきます。

日経平均が70,000円に向かうという歴史的な好景気の中、世の中のスピードはますます加速しております。しかし、私たちがその恩恵を十分に享受し、良い仕事をしていくためには、何よりも「心身の健康」という最大の資本が不可欠です。

梅雨時は、「なんとなく体がだるい」「頭が重い」といった不調(いわゆる気象病や梅雨だる)を感じる方も多いのではないでしょうか。

東洋医学(漢方)の考え方では、これを「水毒(すいどく)」と呼びます。

湿度が高すぎると、人間の体は皮膚からうまく汗を蒸発させることができず、体内に余分な水分や老廃物が溜め込まれてしまいます。これが自律神経を乱し、だるさや冷え、胃腸の不調を引き起こす原因になると言われています。

水毒対策①  カリウムを含む夏野菜を摂る

きゅうり、トマト、トウモロコシなどは、体内の余分な水分を尿として排出してくれる優れた働きがあります。

特にトウモロコシのひげ(コーンシルク)を煮出したお茶は、昔からむくみ取りの妙薬として重宝されてきました。

水毒対策②  少し熱めのお風呂でしっかり汗をかく

ジメジメするからとシャワーで済ませるのではなく、湯船に浸かって汗腺を開き、体内の水分代謝を促すことが、実は一番の疲労回復につながるそうです。

経済が右肩上がりで高揚感に包まれている時ほど、人はつい休むことを忘れて仕事や投資に没頭してしまいがちです。

しかし、どれほど時代が進歩し、株価が上昇しても、人間の心と体は休息を必要としています。

「よく働き、よく遊び、よく学び、よく休む」

この4つのバランスを保つことこそが、最も重要なのではないかと個人的には感じております。


歴史の転換点に立ち、未来をどう見据えるか

株価が上がる一方で、実生活においては「物価高(インフレ)」という避けては通れない現実もございます。

株価70,000円という時代は、現金の相対的な価値が目減りしていく時代でもあります。

堂島米会所の商人たちが気候変動のリスクをヘッジするために先物取引を生み出したように、私たち現代人もまた、インフレという環境変化に対して「自らの資産をどう守るか」という知恵を持たなければなりません。

一過性のブームに流されることなく、数百年の歴史の中で価値を証明し続けてきた現物資産(例えば芸術的価値と地金価値を併せ持つアンティークコインなど)に目を向けることも、環境の変化に適応する「紫陽花のような柔軟性」の一つの形ではないかと思います。

今、日本を取り巻く空気はかつてないほど前向きで、希望に満ちています。

私たちはこの歴史的な好景気を、次世代の若者たちが胸を張って生きていける「盤石な基盤」として繋いでいく責任があると感じております。

急ぎ足の話になりましたが、今回は日経平均株価の歴史的な飛躍と、梅雨空に学ぶ金融の歴史、そして身体の整え方についてお話しさせていただきました。

内容自体は皆様もご存じのことが多かったかもしれませんが、「なるほど、そんな歴史があったのか」と少しでも面白く感じていただき、皆様の日常やこれからの歩みにおいて何かの参考になれば幸甚です。